こんにちは!いせ弥です。
当店の店内には昔からの徳利や看板が展示されています。
そのなかにある、丸イス大の円柱型で上部に3cm程度の穴が開いた壺?みたいな容器・・実は、これは「酢」を造る壺だとわかりました。
今日は過去に酢のメーカーで仕事していたというお客様がいらしたのでいろいろ教えていただいたのです。
酢は日本酒に酢酸菌を垂らし放置しておくと表面に浮いた酢酸菌がアルコールを酸に変えて酢となります。
この壺は、上面の表面積は少なくならないように円柱形でありながら上部の穴は雑菌が入らないように極力小さくしてあるのです。
なお発酵食品である酢はその発酵方法によりいろいろな酢があります。
高級な手作り酢ではその壺に住み着いている酢酸菌で代々作っていくためあまりキレイにし過ぎてはダメだったり、逆に安く作るために強制的に泡立てて発酵効率を高めたりするようです。
我々の普段の生活の中では酢だけを味見することはほとんどありませんが、やはりメーカーが違うと味が違うため、料理人の世界では違う酢では同じ味を出すことはできないとのこと。我々にわからない世界があるのですね。
ところで、なぜ酢造り用の壺が当店にあるのかというと、昭和初期の戦争の時代には食料不足・材料不足などの事情で造り酒屋をできなくなったり、代わって酢を造ったりしたんだと先代から聞いた覚えがあります。
激動の年月をこえて今に続くいせ弥。これからも頑張っていきます。