こんにちは!いせ弥です。
桶を外側から締め付けて固定しているの輪が「箍:タガ」。
ことわざのなかにもそれまでの秩序がなくなり、緊張を解いて羽目を外すことを「タガが外れる」と表現されるなど、昔からなじみのある言葉です。
実は桶というのは乾燥すれば縮んで板の間に隙間ができます。
隙間が広くなりすぎるとバラバラに分解してしまう危険があるのですが、そうならないのはこのタガのおかげ。タガ自身の素材も板と同じく湿気や乾燥による伸び縮みがあるほか、竹を編み込むことでタガに伸縮性を持たせることで乾燥にも耐える構造になっています。
また、タガに使う竹は生育3年目の真竹が最適とのこと。それまでの竹では柔らかすぎ、4年目以降となれば固すぎるそうです。そのためその昔は3年後の桶の製造計画に基づいて竹生産農家に竹を取り分けてもらい、3年目ものを出荷、加工業者を経て桶の工場に入荷されたとのことです。
竹自身も15m:5・6階の建物ぐらいとなる超特大のもの。
長すぎて通常の形では竹藪から出せないので現場で割って出荷するそうです。
竹の生産は昔から佐渡が有名で、その加工は京都、桶の製造は堺、とタガ一つとっても各地の”達人”の手から手に渡って作られたもの。
桶・樽の需要は減り職人さんが減ってくることで分業はいよいよ難しい時代になってきました。
当店の看板の桶、ぜひともこれらの歴史を感じ取っていただければと思います。