こんにちは!いせ弥です。
先週に続き、東大寺 修二会の「参籠見舞い」のお話です。
お伺いした参籠宿所は男性のみが入れる特別なエリア、この建物は鎌倉から室町時代に建てられた重要文化財であり、その様子もおそらくは当時のまま。
6畳ほどの部屋に4人が寝泊りするようになっており、中央にある小ぶりの囲炉裏にはわずかな暖房を兼ねた茶釜、人数分の布団、明かりとしての裸電球1個以外はほとんど何もありません。
壁には数珠が2.3かけてあり本堂で使うもの、食堂(じきどう)で使うものと分けられているとのことです。壁には生け花や外の風景を描いた絵が飾ってありましたが、これは行の間 宿所と本堂、食堂から一切外出できないため、この絵をみて外の風景を想像するためにあるとのことでした。
服装は紙衣(かみこ)という白い和紙の衣装を着ます。行の間は袈裟を意味する黒い紐を輪にしたものを身に着けるとのことです。
紙衣は、修二会の期間中は着替えないうえ、行で焚く菜種油が染み付いて終わりのころにはボロボロになるとのことです。
ちなみに行を終えてなお3ヶ月は菜種油のにおいが身体に残るほど強いようですね。
期間中の行はウィキペディアなどでも詳しく触れられていますが極めて厳しい内容です。
食事は肉・魚・卵はもちろん牛乳も使わない精進料理をお昼に摂った後夜中1時まで飲食禁止で行を行い、いったん睡眠をとってから朝におかゆを食べるといったものです。
極端な食生活は行を終えてもすぐには通常の食事は摂れなくなるような影響があるとのことです。
驚きの修二会、1250年以上、戦時中でさえも途切れることなく綿々とその姿を変えることなく続いてきた行事です。
これを終えると春が来るといいます。